水木しげる先生も妖怪も大好きなので、この手の本は迷わず購入してしまいます。
真剣に妖怪研究する人向きではありません。
調べるきっかけになるかもしれませんが、これはとにかく楽しむのが正解です。
日本版もおすすめですが、世界版はバラエティ豊富、ツッコミどころ満載。
それでいて当然繊細なペン描写は十分楽しめます。
子供(大人も)が何度もめくっても大丈夫な厚めのしっかりした紙質もgoodです。
パラパラめくってみると「魔女」「きょうし(僵尸)」「ポルターガイスト」ギリシア神話に出てくる有名な怪物などがあり「ん?そもそも「妖怪」って英語で言うとなんだ?」と一旦読書を中止。調べてみるとぴたりと当てはまる語彙はなく、日本語でも妖怪には怪物、霊、バケモノ、お化け、魔物などが一緒に使われたりするそうです。
もちろん日本の「妖怪」の本来のイメージと同じ、地方の山村などで先祖代々口伝えで続いているような「民間信仰」らしい妖怪もたくさんいらっしゃいました。
私は田舎住まいで山や川は身近です。自然の中に身を置くと、妖怪は普通に存在している気がすることがあります。一人川辺に座ってぼうっとしている時に河童がペタペタ歩いてきても「ああ、やっぱりキミいたんだね。ただの迷信だって言う人も多くて心配してたよ。」となにごともないように受け入れそうな気がします。妖怪の立場からすればちょっとはびっくりして怖がって欲しいんでしょうか。
ほとんどの妖怪の紹介文には「人間を捕まえて食べる」「さらわれる」「病気になる」とあり、恐れ慄くべきものとされています。子供が怖がるから「夕方は早く家に帰りなさい」とか「独り歩きはおよしなさい」という戒め的にこういうものは世界共通なのでしょう。
しかし。怖くない妖怪もたくさんいます。
アメリカ・ペンシルベニア州北部の森に棲息しているという「スクォンク (Squonk)」。
アメリカの文献資料では、四つ足でツノがあったりなかったり、皮膚がイボイボ、何かの動物に似てはいるけどなんだかわからない哺乳類っぽい外見です。しかし水木画のスクォンクは、2本足で大きな目、体にはマダラ模様とイボがあるものの丸っこいひょうきん姿で、大きな口を開け悲しそうに涙を流しているのです。自分の醜態を人に見られるのがいやだから薄暗い時間帯にしか外出しないとか、水面に姿が写ってしまうので水辺は歩かないよう気をつけているとか、切なすぎます。引っ込み思案でいつも泣いてる妖怪だなんて、会えたら手を繋いで家に連れて帰りたい。
また、オーストラリア北部のアーネムランドには「ミミ(mimi)」という精霊の言い伝えがあります。
カンガルーやハリモグラをペットにして、火を起こし自炊しているという「もしやそれは人間というのでは?」と思うような普通の生活をしている精霊です。たまに人間の男性を誘惑して踊りを見せたりごはんをご馳走することもあるそうです。一旦捕えられると逃げられないってことを除いては、近所の世話好きな楽しそうなご家族?ですよね。
こういう「知らなくても生きていけること」や「真実かどうかわからないこと」に夢中になれるうちは私の心がまだまだ元気ってことでしょうか。いくつになっても絵本が読める人でありたいなと常に思っています。
こういう絵柄の占める割合が多い本はお気に入りのものを1冊選んで枕元に置いておくのがおすすめです。読書する気にはならないけどすぐに寝る気にはならないしーって時に、好きなページを開いてニヤニヤするのです。ただし、夢まで責任は持ちません。



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