ご存知の通り、今年2025年(令和7年)は昭和100年にあたります。
昭和に関する本が多数出版され、私もできるだけ昭和に関する本を読もうと思っていました。
この本はだいぶ前からタイトルだけ知っていました。
「ノモンハン」ってなに?
人の名前? 地名?
なぜかわからないけど なんだかとても暑い夏って感じ
暑くて 熱くて 喉がカラカラで 体が干からびそうな
経験したことないような ひと夏の物語なのだろう
こんなイメージでしたが、なぜか今まで読む機会がありませんでした。
早く読めばよかったと今や後悔しかありませんが、昭和史を少しずつ辿っているうちに必読書リストの筆頭に上がってきました。
このノモンハン事件は「開戦理由に最も関わっているできごと」とも言われています。
ノモンハンとは、中国東北部とモンゴル国との国境に近い地の地名です。
著者の半藤一利氏は昭和5年生まれ。
日本国民が、生活物資や食料品の不足でだんだん苦しい生活を強いられた時の実体験者です。住んでいた東京下町で空襲にも遭い、別の著書でその体験を綴っています。
昨今、戦争責任などを検証するテレビ番組などでは、
・ 陸軍を中心とした軍の高慢で強硬な判断
・ 真実を追求せず、大本営発表を国民に流し続けたメディア
・ 当時の国際情勢・新しい軍事設備に関する無知さ
などが言われています。そして、結論:戦争=悪、です。戦争体験者が高齢化していく中「戦争を知らない子供たち(古い?)」は声をあげてそう言い切れる世の中になりました。私たち昭和世代が子供の頃は、まだ「まともに触れちゃいけない」「簡単に結論は出せない」雰囲気があった気がします。戦争で仲間や家族を失う辛い体験をした世代が身近にいたからです。
ノモンハン事件は1939年(昭和14年)の5月〜9月に起こりました。
現地で戦った関東軍と東京の中央陣営との確執、エリート上官のダメさなど、戦後当事者への聞き取りなどで調査が進みました。同時並行していた三国同盟の問題なども絡んでおり、現地と東京の上層部とのうまくいかないやりとりなど、この著書にもかなりの詳細が書かれています。結果がわかっているだけに、読み進めるうちに何度も苦しくなりました。冷静に史実を綴りながらも、著者の抑えきれない怒りや悔しさがところどころ行間に滲み出ています。
タイトルを見ていちばん最初に感じた「猛烈な暑さ、喉の渇き」。
厳しい気象条件の中、兵器だけでなく食料や飲料が全く足りておらす、無計画な無謀すぎる戦いでした。結果は案の定大敗。
読了後、実際生き残った兵士たちが現地に戻って感じたのと同様に私も
「ああなんで、ああどうして、ああ、ああ、みんな死んでしまった」
というどうしようもない虚しさに襲われました。
故郷から離れた戦地で亡くなった方たちのご冥福を心よりお祈りいたします。



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