大きな声で言います。私はギュスターヴ・ドレが大好きです。
元々線画好きで、鮮やかな色彩を使った絵画も素敵だとは思うのですが、どうしてもモノクロに書かれた細かい線描画により心惹かれます。その中でもいちばん好きなのが、ギュスターヴ・ドレと水木しげるです。
※このウェブサイトのトップ画像もドレの作品を使わせていただいています。ありがとうございます!
ギュスターヴ・ドレは、19世紀に活躍したフランスの画家、版画家、挿絵画家、彫刻家です。
ざっと経歴を追うだけで、様々な分野に秀でた才能のあった人だとわかります。性格も活発で社交家、運動神経も抜群、そしてなかなかのハンサムガイ。しかし、過労がたたり時代を考慮しても少々若すぎる51歳で生涯を終えてしまいました。仕事の環境や友人にも恵まれ、生涯独身だったようですが常に愛する女性も周りにいて、なかなか濃い人生だったのではないでしょうか。
油絵や水彩画も多くありますが、ギュスターヴ・ドレといえばやはり木口木版画です。
ドレの作品を初めて見た時、線画なのだと思いました。それは聖書の挿絵として書かれていたもので、ペンで細かく陰影が表現されていて単純に感動しました。少し調べてみたらそれが版画だということがわかり、さらに驚かされました。私は恥ずかしながら美術は全くの素人で「なぜサインが2つ書かれているのか?」とは気付きつつ、それが下絵を描いた人と版画を彫った人の2人のサインなのだと後に知りました。ドレには、友人でもあるピサンを始めとする腕の良い彫師チームがいました。改めて彫師の技術にも驚かされつつ、ますますドレが好きになったのです。
著者はドレの研究の第一人者と言われる谷口 江里也氏。この本は様々なドレの作品を紹介しつつ、まさにドレに話しかけながらドレの生涯と作品を振り返っている、そんな一冊です。
この本は新品だと定価で3520円、なかなかの値段です。しかし、なんといってもドレの作品が1ページを使ってふんだんに使用されており、そして何より紙質や印刷が大変良いです。そして著者の文章がサラッとしていて心地良く、気がつけば読み終えていた感じがします。作品集としてもずっと手元に置いておきたいと思いました。
どこにでも置いている本ではないと思うので、図書館で見かけたらちょっと開いてみて欲しいです。印象派と同じ世代のギュスターヴ・ドレ。著名人の名もちらほら出てきますし、世界が広がること間違いなしです。
ドレの作品について少し。
「新約聖書」「旧約聖書」、ダンテの「神曲」の挿絵などがよく知られています。
私は、ドレが実際に訪れて描いた当時のロンドン、そしてスペインを描いた作品がとても好きです。風景はもちろん、当時の貧困に苦しむ一般市民がたむろする暗い街角や、農村の実情などを飾ることなくそのまま描いています。闘牛も観戦し感動したようで、迫力のある作品がいくつもあります。当時、写真が出始めてはいましたが、今の撮影技術には程遠く動きのあるものを撮影するのは難しくドレの作品は貴重です。

ドレは、風刺画や本の挿絵もたくさん描いていて、「赤ずきん」の挿絵も有名です。なんといってもこの狼のデカさが恐ろしいですが、この赤ずきん版では赤ずきんちゃんは狼に食べられてしまいます。ええっ!




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